第11次職業能力開発基本計画(令和3年~7年)
新型コロナウイルス感染症の影響によるデジタル技術の社会実装の進展や労働市場の不確実性の高まり、人生100年時代の到来による労働者の職業人生の長期化など、労働者を取り巻く環境が大きく変化していくことが予想される。こうした中で、企業における人材育成を支援するとともに、労働者の主体的なキャリア形成を支援する人材育成戦略としてこの基本計画を位置付け、職業能力開発施策の方向性を定めた計画。
厚生労働省
第11次職業能力開発基本計画を策定しました
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17632.html
40ページぐらいの資料が上記でダウンロードできるが、長いので要点をまとめた概要を以下に記述します。
産業構造・社会環境の変化を踏まえた職業能力開発の推進
Society5.0の実現に向けた経済・社会の構造改革の進展を踏まえ、IT人材など時代のニーズに即した人材育成を強化するとともに、職業能力開発分野での新たな技術の活用や、企業の人材育成の強化を図る。
第11次職業能力開発基本計画を策定しました
- 教育訓練給付におけるIT分野の講座充実に向けた関係府省の連携、公的職業訓練におけるIT活用スキル・ITリテラシー等の訓練を組み込んだ訓練コースの設定の推進
- オンラインによる公的職業訓練の普及、ものづくり分野の職業訓練におけるAR・VR技術等の新たな技術の導入に向けた検討
- 企業・業界における人材育成の支援、中小企業等の生産性向上に向けたオーダーメイド型の支援の実施
- 教育訓練の効果的実施等に向けた企業におけるキャリアコンサルティングの推進
労働者の自律的・主体的なキャリア形成の推進
労働市場の不確実性の高まりや職業人生の長期化などを踏まえ、労働者が時代のニーズに即したスキルアップができるよう、キャリアプランの明確化を支援するとともに、幅広い観点から学びの環境整備を推進する。
- 企業へのセルフ・キャリアドックの導入支援、夜間・休日、オンラインを含めた労働者個人がキャリアコンサルティングを利⽤しやすい環境の整備、キャリアコンサルタントの専門性の向上や専門家との
- ネットワークづくりの促進、企業の人材育成の取組への提案等に向けた専門性の向上
- IT利活⽤等の企業横断的に求められる基礎的内容を中心とする動画の作成・公開、教育訓練給付制度の対象講座に関する情報へのアクセスの改善
- 教育訓練休暇や教育訓練短時間勤務制度の普及促進、社内公募制などの労働者の自発性等を重視した配置制度の普及促進
労働市場インフラの強化
中長期的な日本型雇用慣行の変化の可能性や労働者の主体的なキャリア選択の拡大を視野に、雇用のセーフティネットとしての公的職業訓練や職業能力の評価ツールなどの整備を進める。
- 地域訓練協議会等を通じた産業界や地域の訓練ニーズを反映した職業訓練の推進、産学官が連携した地域コンソーシアムの構築・活用促進
- 技能検定制度・認定社内検定の推進、ホワイトカラー職種における職業能⼒診断ツールの開発、日本版O-NETとの連携
- ジョブ・カードの活用促進
- デジタル技術も活⽤した在職者・離職者、企業等への情報発信の強化
全員参加型社会の実現に向けた職業能力開発の推進
希望や能力等に応じた働き方が選択でき、誰もが活躍できる全員参加型社会の実現のため、すべての者が少しずつでもスキルアップできるよう、個々の特性やニーズに応じた支援策を講じる。
- 企業での非正規雇用労働者のキャリアコンサルティングや訓練の実施、求職者支援訓練の機会の確保
- 育児等と両⽴しやすい短時間訓練コースの設定、訓練受講の際の託児⽀援サービスの提供の促進
- 就業経験の少ない若者に対する⽇本版デュアルシステムや雇⽤型訓練の推進、地域若者サポートステーションにおけるニートや高校中退者等への支援の強化
- ⾼齢期を⾒据えたキャリアの棚卸しの機会の確保、中⼩企業等の中⾼年労働者を対象とした訓練コースの提供
- 障害者の特性やニーズに応じた訓練の実施、キャリア形成の支援
- 就職氷河期世代、外国人労働者など就職等に特別な支援を要する方への支援